義兄弟パロ-10
滋賀から神室町へ、それからまた蒼天堀に向かう。車の免許を持っていてよかったと、缶コーヒーを飲みながら痛感した。蒼天堀につくころには朝日が昇っていた。どこかで仮眠をとってから兄に会いに行こうとぼんやり考える。その前にもう一度資料を読みなおそう…
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義兄弟パロ-9
時は少しさかのぼる。滋賀に避難したあとのこと。彼女たちが話したのは数分程度だった。おどおどしたマコトの声が聞こえるくらいで、話は弾む様子はなかったが、電話はすぐに桐生に戻された。もっと話せばいいのにと言うも「あとは直接会って話します」と言わ…
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義兄弟パロ-8
「は?!」これ以上声はでない。そう思うほど大きな声が飛び出た。この十数分で頭に入れていい情報量はとうに超えている。頭がくらくらする。これ以上なにも起きないでくれと祈りたくなった。この弟は言うことなすことすべて真島の予想を外してくる。どうやっ…
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余命百年 2
2 プリクラ「伊達さん、大吾、冴島、琉道一家、春日、紗栄子、南波、足立さん、ソンヒ、ハン・ジュンギに趙、マスターだろ、それから」「足りなくなったらまた買うてくるが、住所わかっとるんやろな」予想はしていたが随分と多い。とりあえず十枚だけコンビ…
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余命百年 1
清潔なにおい、陰鬱な空気。それくらいなら耐えられる。けれど。少量の食事を完食できなかったり、手すりを使ってようやく歩けたり、一回り薄くなった手を見ると、喉奥が焼けるような気分にさせられる。1 年賀状免疫療法、化学療法、放射線療法、等々とがん…
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義兄弟パロ-7
あれから数日。様子を窺いにきた佐川から鬼仁会のことを聞くも大した情報は得られなかった。わかったのは近江連合の直参くらいなもので、なぜマキムラマコトを狙っているのかはさっぱりわからないままでいる。鬼仁会の人間からもちょっかいを出されたが、今だ…
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義兄弟パロ-6
あれから町中に鬼仁会がうろついているのを確認し、総出でマキムラマコトを探していると推測した。ここまで人手を割くとなれば、随分と大きな背景が伺える。大金が動いているのか、はたまた極道に喧嘩を売るようなことをしたのか。近江連合の二次団体という情…
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義兄弟パロ-5
大声を張り上げ、兄が怯んだ隙を見て近くにあったサイドキャビネットを蹴り飛ばす。「いってッ!」案の定避けられなかった兄はキャビネットに意識をとられた。思いっきり腰を強打して悶えている。このわずかな時間を逃すわけにはいかない。「おい、あんた先に…
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義兄弟パロ-4
傷ついた顔をしていた。裏切られたような、捨てられた子犬のような、弱々しい無防備さが残る姿だった。暗闇の中、真島は脳裏に浮かぶ顔を追い払うように頭を振った。夕方の出来事が頭から離れない。グランドの経営している最中も、帰宅してからも、そして今ま…
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義兄弟パロ-3
次の休みも蒼天堀に行った。知り合いの不動産のさらに知り合いを紹介してもらいながら二人をさがす。とはいえ、一人はほぼ確定だ。聞き込みをした結果支配人の名前がわかったのだ。――『真島吾朗』、かつて彼から名刺をもらった客に見せてもらった。年齢的に…
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義兄弟パロ-2
不動産をあつかっていると人を探すのはむずかしくない。大量の顧客情報をもっているからだ。それは大阪蒼天堀でも同じである。桐生は先代社長の知り合いの店に顔をだした。相手も桐生の顔を覚えていたので話が早い。事情を説明するとすぐに顧客リストをもって…
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義兄弟パロ-1
「桐生さんはあまりお金に興味がないのですか」「あ?」「はい、だろ」尾田に小突かれて舌を打つ。嫌いなデスクワークをこなしていたなか、突拍子もないことを言われたのだ。変な返事になるくらい許せよなと睨むも、もう一度殴りかかってきたのでかわしてやっ…
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